【無料テンプレート提供】工数管理表の作り方と工数管理実施時の注意点
工数管理
執筆者 近藤 剛人 [2023.07.19]
目次
- Excelで工数管理表を作り工数管理を行う方法
- 【無料テンプレート有】Excelで作った工数管理表を参考にする
- Excelを用いた工数管理表テンプレートの作り方 3ステップ
- 1.工数管理表を作る前にプロジェクトを構成するタスクを整理する
- 2.Excelに工数管理のためのWBS(階層構造)を作っていく
- 3.工数管理表に管理項目を追加する
- Excelの工数管理表テンプレートを作り利用する際のメリット3点
- 工数管理表を作れば、すぐにスタートできる
- 工数管理表を自由な書式で管理できる
- 工数管理の項目を自由に作り追加できる
- Excelの工数管理表テンプレートを利用する際のデメリット3点
- 実績工数入力に時間がかかる
- 大規模・横断プロジェクトの工数管理には不向き
- 入力した工数を横断的に分析することができない
- 工数管理にはツールがおすすめ TimeTracker NX3つの優位性
- 1日の工数入力が30秒で完了
- 【ユーザー事例提供】Excelテンプレートよりも管理工数がかからない
- 工数表を組織・プロジェクト・タスクを横断して分析ができる
- まとめ
工数管理をやりなさいと言われて、どのようにやればよいか迷う方もいるかと思います。
本稿では、Excelでの工数管理表のつくり方をお伝えします。「工数管理表をつくりなさい」と言われたけどどうやって作ればよいのか。考え方をお伝えします。
ただし、Excelでの工数管理には限界があります。入力に時間が掛かり過ぎて、運用ができないケースもユーザーから報告をうけています。より精度の高い工数管理のためにはツールを利用することも検討すると更によいでしょう。
工数管理表のつくり方を踏まえて、工数管理ツールTimeTracker NXを利用する意味やその特徴をお伝えします。
Excelで工数管理表を作り工数管理を行う方法
Excelを使用して工数管理を行うには、以下の手順を実行します。
まずは、工数管理表を作る目的を整理するとよいでしょう。
どのプロジェクトのどのタスクの工数を取りたいのかなど、上司や経営層からの指示はどんな意図があるのか、工数管理表を作る前に整理することをおすすめします。
そのうえで、プロジェクトを構成するタスクを整理し、その内容をExcelワークブックに書きながら作成します。タスクを階層構造に整理したら、ワークシートの列にタスクの名前、開始日、終了日、担当者、予想工数、実績工数などのヘッダーを追加します。
タスクごとに行を追加し、詳細情報を入力します。計画工数は、各タスクの予想所要時間を入力します。実績工数は、タスクが完了した後に実際にかかった時間を入力します。
【無料テンプレート有】Excelで作った工数管理表を参考にする
プロジェクトの工数管理を行う際には、プロジェクト内容をパッケージやタスクに分解し、各タスクの詳細情報を入力します。
どんな工数管理表を作ったら良いかわからないという場合は、テンプレートを見てみましょう。
ソフトウェア受託開発業、自動車・部品製造業、機械設計業、シェアードサービス業、医薬製剤製造業、情報処理サービス業、建築設計業など多くの製造業やサービス業のお客様の工数管理、進捗管理、タスクの見える化などを行った実績を基に工数管理表のテンプレートを配布しています。
実際に弊社で利用しているExcelテンプレートをダウンロードできますので、活用してください。
Excelを用いた工数管理表テンプレートの作り方 3ステップ
工数管理表のテンプレートを作成する際には、Excelを利用するのが便利です。
Excelを使用した工数管理表のテンプレートを作成する手順は以下の通りです。
ポイントは、いきなり書くのではなく、プロジェクトを構成するタスクを整理することが大切です。
1.工数管理表を作る前にプロジェクトを構成するタスクを整理する
Excelに書く前に、プロジェクトのプロセス・タスク・成果物 を図示して、 作業と成果物の連鎖を 見える化することをおすすめします。
紙に書く、マインドマップをつくるなど色々な方法で整理することができます。
整理をする際に「PFD」という思考法を用います。
簡単に説明すると、成果物に必要な作業を連鎖的に考え、プロジェクトを構成するタスクを見つける方法です。タスクの後には必ず成果物がありますので、その点も留意し、整理しましょう。
参考資料:TT教育サービス
タスクを整理したら、プロセスを上位から下位 へブレークダウン上位レベルの項目を漏れなくダブりなく分割しタスクを詳細化します。
プロジェクトのタスクを整理し、階層化したものを「WBS」と呼びます。
参考サイト:TimeTracker NXで作業構造(WBS)を登録しタスクの抜け漏れを防ぐ
2.Excelに工数管理のためのWBS(階層構造)を作っていく
プロジェクトのタスクを階層構造に整理したあとは、Excelに記入をします。
ワークシートの列に必要なヘッダーを追加します。一般的には、タスク名、開始日、終了日、担当者、予想工数、実績工数などが含まれます。必要に応じて、追加の列を作成することも行います。
3.工数管理表に管理項目を追加する
Excelに、各タスクの行を追加します。そして、タスクの詳細情報を入力します。
例えば、計画工数列には、各タスクの予想所要時間を入力します。
場合によっては、実績工数列を自動計算するための数式を設定します。実績工数の列にある各セルに、関数SUMやSUMIFを使用して関連するセルの合計を計算する数式を入力します。
必要に応じて、他の列や数式を追加して、工数管理に関するさまざまな情報を追跡できるようにします。たとえば、計画工数、開始日・終了日、リソースの割り当てなどです。場合によっては進捗率などの項目を追加するのもよいでしょう。
階層1 | 階層2 | 階層3 | リーダー | 開始 | 終了 | 計画工数 |
フェーズ1開発 | 岡本 | |||||
要求分析 | 岡本 | |||||
作業 | 岡本 | 10/19 | 11/10 | 24 | ||
レビュー | 岡本 | 10/20 | 11/11 | 6 | ||
差し戻し | 岡本 | 10/21 | 11/12 | 2 | ||
設計 | 岡本 | |||||
作業 | 岡本 | 3/12 | 3/13 | 32 | ||
レビュー | 岡本 | 3/13 | 3/13 | 8 | ||
差し戻し | 岡本 | 3/16 | 3/16 | 4 | ||
実装 | 岡本 | |||||
作業 | 岡本 | 3/17 | 3/17 | 16 | ||
レビュー | 岡本 | 3/18 | 3/18 | 4 | ||
差し戻し | 岡本 | 3/19 | 3/19 | 2 | ||
テスト | 岡本 | |||||
作業 | 岡本 | 3/20 | 3/23 | 40 | ||
レビュー | 岡本 | 3/24 | 3/24 | 3 | ||
差し戻し | 岡本 | 3/24 | 3/24 | 1 |
画像:工数管理表 イメージ(筆者作成)
Excelの工数管理表テンプレートを作り利用する際のメリット3点
Excelは管理したいものを自由に記述することができます。以下にメリットを示します。
工数管理表を作れば、すぐにスタートできる
Officeが入っているPCであれば、誰でもすぐに工数表を作成することができます。手軽に始めることができるのがExcelの工数管理表テンプレートを利用するメリットです。
工数管理表を自由な書式で管理できる
自由なレイアウト構成で表をつくることができます。個人や小さなチーム単位での活動であれば、気に入らない箇所を自由に作り変えることも可能です。
工数管理の項目を自由に作り追加できる
足らない項目があれば追加できます。
Excelはデジタルペーパーとしては優秀で、自由になんでも書けて、計算もできます。
一方で、プロジェクト管理をExcelで行う場合は注意が必要です。
Excelの工数管理表テンプレートを利用する際のデメリット3点
Excelの工数管理表で工数管理をする際には下記の点に注意が必要です。
実績工数入力に時間がかかる
ユーザーは実際工数入力する際には、キー入力で計画工数や実績工数を入力するため計画策定や実績報告に時間がかかる場合があります。入力負荷が高いとユーザーから反対を受ける場合はあります。
参考サイト:工数管理ができない理由を考える
大規模・横断プロジェクトの工数管理には不向き
Excelは統合管理は苦手です。
管理する規模が増えると、工数管理表の入力ルールを定め、帳票が壊れないようにメンテナンスする必要がでてきます。工数管理をしたいので、保守・メンテナンスの工数に追われて、取り組みが定着しないリスクがあります。
また、大規模・横断プロジェクトの工数管理においては管理プロセス・ルールを明らかにする必要があります。何をいつ入力するのか決めなければなりません。
参考サイト:脱Excel(エクセル)しない プロジェクト管理のススメ
入力した工数を横断的に分析することができない
入力した内容を横断的に分析したい場合、帳票が分かれている、管理項目や値の入力ルールがバラバラの場合は、上手く集計できない場合があります。
実績工数を入力したのに、振り返りや工数を活用して、改善をすることができない事態にならないように注意が必要です。
工数管理にはツールがおすすめ TimeTracker NX3つの優位性
Excelの工数管理表と比較した工数管理ツールの使いどころや優位性を紹介します。
Excelの工数管理表は、手動でデータを入力・更新する必要があり、大規模で複雑なプロジェクトでは入力の負荷が高くなります。「工数管理をしたいのに入力負荷が高すぎて、割に合わない」というユーザーのジレンマも生まれます。
それに対して工数管理ツールは、自動化されたデータ入力機能を提供し、実績時間の正確な記録と追跡が簡単にできます。従って、大規模で複雑なプロジェクトや複数のプロジェクトを同時に管理する場合は、Excelの工数管理表よりも利便性が高いです。
また、工数管理ツールは、リアルタイムでのデータ共有が可能です。チームメンバーやプロジェクトリーダーは、各タスクの進捗状況や実績を瞬時に把握できます。これにより、問題や遅れを早期に検知し、迅速な対応が可能となります。
プロジェクト全体の進行状況を把握することで、タスクの優先順位を変更したり、リソースを再配分したりすることが容易になります。
工数管理をする本来の目的が、タスクの優先順位を変更したり、リソースを再配分の場合、ツールを利用するほうが優位性が高いです。下記にメリットを3つ紹介します。
1日の工数入力が30秒で完了
一般的な工数管理表は『タスクごとに1日何時間作業したか』を報告するスタイルが主流です。しかし、これには実は頭の中で計算も必要で、全員が継続するのは困難です。
TimeTracker NXでは『何時から何時までどの作業をしたのか』をドラッグ&ドロップで入力する直感的な操作で実現。1日分の報告に30秒もかかりません。
誰でも簡単にできるから、改善につながる工数データが継続的に集まります。また入力ルールを共通化し、プロジェクト横断で統合的な工数管理も可能になります。
製品サイト:ドラッグ&ドロップで工数入力
【ユーザー事例提供】Excelテンプレートよりも管理工数がかからない
弊社のユーザーに協力を得て、Excelの工数管理表とTimeTracker NXとの管理負荷の差を比較した事例があります。
結果は、工数入力・工数管理において約6割~7割のコスト削減効果が期待できます。
下記をクリックするとExcelとTimeTracker NXに導入による投資対効果を確認できます。
工数表を組織・プロジェクト・タスクを横断して分析ができる
タスク単位で分析するだけでなく、管理項目対象とすることで、独自の視点で詳細なデータを分析できます。Excelを使わなくても、すぐに以下を分析できます。
・工数/コストの月別の予実(計画と実績)
・プロジェクト別に誰がどれだけ工数を投入したか
・自分がどの作業・工程に工数を消費しているか
・組織の月別の実績工数の推移 など
入力した実績工数を基に振り返りや工数・コストオーバーの問題点を発見できます。
製品サイト:個人別から企業全体、日から年まで。 あらゆる単位で工数・コストを分析
工数管理をはじめたけども、どういった観点で分析・改善をしたらよいか迷っている方は、下記のサイトも参考にしてください。
工数管理は、Excelテンプレートをつくれば終わり、ツールを導入すれば終わりではなく、何を管理し、どのように改善していくのかが大切になります。
参考サイト:実績工数をR&D現場の生産性改善に活用する方法~具体的な改善アクションの7ステップを紹介~
まとめ
・工数管理表を作る際には業務内容を分解しWBSを作成することから始めましょう
・タスクごとに管理したい項目を設定しましょう
・Excelを利用して工数管理表をつくることはできますが、メンテナンスが大変になるデメリットがあります
・工数管理のポイントは入力が簡単であること、かつ振り返りができることTimeTracker NXを利用すれば、入力と結果の集計が同時にできます
本稿では、工数管理表のつくり方を踏まえて、工数管理ツールTimeTracker NXを利用する意味やその特徴をお伝えしました。
TimeTracker NXは30日間体験版を利用できます。Excel管理との利便性比較することもできるとおもいますので、ぜひ下記より申込をご検討ください。
執筆者 近藤 剛人
株式会社デンソークリエイトで、TimeTrackerNXの開発以外のすべてを担当しています。【コミュニケーション ハブ】として、ユーザーの皆さまに課題解決のためにできることを全てお伝えします。弊社開発にはユーザーの皆さまの業務シーンを捉えたうえで、機能要望をインプットします。言葉を尽くしたいと思っています。TimeTracker NXは工数管理に特化したツールです。できること・できないことはあります。導入~定着までの運用に関する質問やご相談は全て承ります。 トラブルの予兆や機能理解・操作に迷いがある場合は、一度お声がけください。ブログ上ではなく、ユーザーの皆さまと直接対話したいと考えています。2023年度は【マーケター】兼【TTNXカスタマーサクセスエンジニア】になれるように日々精進します。