工数管理ができない理由を考える~失敗から学ぶ工数管理~

■工数管理って何?という世界から来た私

 

(むかしむかし、工数管理を知らなかった私(近藤)のお話です…。)

「不夜城だからね…ウチは」新卒入社した広告会社で、初日に制作部署の先輩が放った一言。

六時に帰って、朝着替えて出社する生活を、私は気づいたらしていました(笑)。

ムリな仕事、ムダな時間、集中力のムラなんて関係なく、毎週広告出稿目標必達が全て。

駅のホームで知らない人に声をかけ名刺交換をお願いし、土日に商店街を飛び込み営業しました。

今では、ちょっと考えられないですが…効率は二の次。量をこなして、少ないチャンスをつかむしかありませんでした。

先のことはわからない。だから、「今」に生きていました。

例えるなら「工数管理って何?それは美味いのか?」という世界を経て、デンソークリエイトに入社した私。工数管理に関しては反面教師でありながら、新鮮な体験として工数管理に触れました。だからこそ、工数管理の効果を体感しています。

現在企業に求められる在り方や働き方は、明らかに昔とは違います。業務効率は度外視で、大量のガソリンを喰うモーレツ社員がいてもビジネスは立ち行かないこともあるでしょう。

企業には、いかに持続可能な社会をつくれるか、限られた資源で生産性を上げられるか、品質の高い仕事を続けられるかが、求められています。そして、ビジネスパーソンは「今」だけではなく「未来」を創っていく必要があります。

では、品質の高い仕事を限られたリソースで継続するために必要なことは何でしょうか?

そのひとつが工数管理だと私は考えます。

しかし仕事現場では、工数管理は「定着が難しい」「自組織のメンバーに受け入れてもらえない」というお話を耳にします。

本稿では、工数管理ができない理由・失敗例を紐解きながら、どうすれば工数管理が上手くいくのかを考えていきたいと思います。


■『工数管理は意味がなく、無駄だと思っている。嫌いだ』

工数管理が嫌いという方もいるかもしれません。“管理”という言葉が先行し、メンバーから嫌われ、工数管理の活動が定着しなかったというケースを伺うことがあります。

TimeTracker NX製品資料より抜粋

工数管理を反対する方にヒアリングをすると「結果(実績工数)のみで評価されるのではないか?」という「誤解」が理由にありました。

工数管理の推進者は、メンバーの思い込みや誤解を解きながら、正しい目的を理解させることが必要です。つまり、不安や不満を払拭することが大切です。

【不安払拭の方法】

・【不安1】個人査定評価に利用されるのでは?

⇒「実績工数はプロジェクトの見積精度を上げるためのもの。個人の実績工数だけでは評価はしない」と明言する。正直な入力を促す

・【不安2】やらされ感がある

⇒メンバーのための活動であることを伝え、実績工数をキーに振り返りを行うことで、成長や能力開発の源泉にできることを「共感」してもらう

・【不安3】効果を感じない

⇒実績工数を入力させるだけではなく、結果を出力し、良くなった点・改善すると更によくなる点をメンバー主導で考えていく

上記以外にもアイディアはあると思います。※目的の共有に関しては、コチラの記事でも書いています。


■『工数管理が負担になっている』

弊社のヒアリングでは、工数管理を負担に感じるのは「入力」という回答もありました。

タイムカードを押して、日報を書いて、さらに何時に何をやったかエクセル帳票に時間を直接入力しているお客様もいらっしゃいました。入力の重複や複雑さが工数管理を「無駄」とメンバーに感じさせる要因です。

入力が課題と断定する前に、広い視野で議論することが大切です。課題と解決策を見つける際にはKPT法を活用することをおすすめします。

【KPT法】
・工数管理をしてよかったところを洗い出す(Keep)
・今の工数管理の問題点を洗い出す(Problem)
・次に改善できる作業はないか考える(Try)

※参考サイト:KPTとは? KPT法の進め方・振り返り方を例を交えてご紹介 | マイナビニュース (mynavi.jp)

これらを整理したうえで、思い切って特定の作業を止めることが「解」というケースもあるかもしれません(KPT法の実施方法は解説記事は別の機会に書きたいと思います)。

また、工数入力を支援するツールを選択肢にいれるという方法もあります。その点、弊社製品TimeTracker NXは「入力」に関しての負荷を下げることをコンセプトにしています。

1分でできる工数入力 | コンセプト | 工数管理・プロジェクト管理ツール【TimeTracker NX】


■『工数管理でモチベーションが下がっている』

「工数管理でモチベーションが下がる」悪い例をお話します。工数管理と*マイクロマネジメントの相性は抜群です。特に、TimeTracker NXのような支援ツールを利用すれば、毎日個人の正確な工数を収集することができます。
*マイクロマネジメント:管理者である上司が部下の業務に強い監督・干渉を行うこと。一般には否定的な意味で用いられる

     TimeTracker NXピボット分析画面例

精度の高い工数が集まると、管理者はメンバーに対して「予定と実績の乖離理由」を追求することができるようになります。管理者のお気持ちはわかるのですが、厳しい追及がモチベーションを下げる要因の1つであることも弊社のヒアリングでわかっています。

今一度、工数管理の本来の目的に立ち返ることが大切です。メンバーのモチベーションを落とすために工数管理を使っているわけではないはずです。

【マネジメント例】
×個人の日ごとの計画工数と実績工数の乖離を指摘し、乖離した理由を追及する
〇個人の実績工数を確認し、負担が上がっていないか、手戻り発生がないかを踏まえて業務の完遂のための支援する

マネジメント方法に関しては、組織や現場によってスタイルが異なるため、お伝えする際のニュアンスが難しいのですが、メンバー個人へのマネジメントをする際は、「結果」を責めるのではなく、「実績」を鑑みて、管理者が支援やアドバイスをすることでモチベーション維持につながると考えています。


■工数管理で効果的に生産性を上げる

ここまで、工数管理ができなくなる理由や失敗例をお話しました。

上手くいかない理由が続きましたが、その壁を超えると、工数をキーに生産性アップを狙うことができます。

・工数を活用することで仕事の実態を見える化し、改善点を見出して業務改善し、コストダウンに着手できる
・類似プロジェクトでパフォーマンスの良いケースを分析し、プロジェクトを成功に導く
・業務のムリ・ムダ・ムラを洗い出し、止める仕事を可視化できる など

工数管理は、品質の高い仕事を限られたリソースで継続するための源泉です。

次稿では、「工数管理の利益」に関して考えてきたいと思います。本ブログが皆さまの仕事の一助になることを願っています。

 

関連記事

    RANKING月間人気記事ランキング