TimeTracker NXが提供するソリューション
導入事例
機能説明
プロジェクト管理
執筆者 近藤 剛人 [2022.10.06]
『できることはやる。できないことはやらない。しかし、すべての責任はこのわしが背負う!』とは稀代の首相のコトバですが、ソフトウェアに関しても同じことが言えます。
課題に対して、ソリューションを提供できる得意なこと『シンパ( sympathy)』と単体だけでは力不足なこと『アンチ(anti)』があります。
今回はTimeTracker NXのソリューション領域や事象に関してお話します。
■TimeTracker NXが得意な領域
TimeTracker NXはプロジェクト管理・工数管理を同時に実現できるツールです。
プロジェクトや業務といった「大きな仕事の塊」に対して、フェーズや工程(パッケージ)、作業(タスク)など細かく、WBSを定義し、そこにヒト・カネを紐づけ、数値を入力することで、マネジメントしていきます。
SFA(営業支援・売上管理)ツールなどを経由して、プロジェクトの総予算が確定したら、プロジェクトのWBSを定義し、構成するフェーズや工程(パッケージ)、作業(タスク)ごとの内容や計画工数など、管理する項目を定義していきます。
また、「いつ」「だれが」「なにを」やったのか、日々の実績工数を個人ごとに入力することで、精度の高い工数入力ができ、その累計値が各プロジェクトや業務(タスク)単位でも集計できます。「実績工数×単価」でコスト(人件費)もわかります。
参考:工数管理・プロジェクト管理ツール TimeTracker NX - YouTube
■TimeTracker NXのコンセプト
TimeTracker NXはプロジェクト管理・工数管理を目的としたツールです。そして、その根底には、現場の課題を解決したい開発者の熱い思いがあります。例えば下記の考え方です。
・現場志向
☜「プロジェクトの現場に関わる様々な役割の人たちが活用することで、現場を見える化し、改善につなげていくためのツール」を目指しています。
そのため、複雑な権限や過度な通知機能は廃して現場のメンバーが「毎日使う」ことを大切にしています。
・現場の実情にあわせられる柔軟性と表現力で、プロジェクト管理を支援
☜プロジェクト計画を管理しているが、計画の更新や実績の反映などメンテナンスが大変な実態があります。
日々変わる計画を反映しやすいよう「手書き感覚で書けるガントチャート」機能や独自の管理項目を入力できる「カスタムフィールド」を200個用意しています。
また、プロジェクト管理と銘打っていますが、期間の定めが無い、定常業務の管理もできます。
・工数を基に改善につながる「事実」を計測・分析
☜知識労働の現場は、履歴が取りづらいものです。
パソコンを閉じて、紙とペンで思案する時間も仕事ですし、ホワイトボードを用いて議論する時間も仕事です。機械的な計測が難しいと言われています。
そういった理由からメンバー自らが手間なく実績工数を毎日入力できる機能を実装しています。
・今までの仕事のやり方はそのままに
☜Excelをはじめとした、表計算ソフトを応用し、プロジェクトの計画(WBSなど)を管理している方は多いと思います。
TimeTrackerはExcelとの親和性を担保し、プロジェクトの新規作成時にExcelから貼り付け、単体のプロジェクトデータはExcelに出力、Excelとのアドイン連携機能を持っています。
既に保有されている現場資産を活用できることを考えています。
・データを改善活動に活用する
☜プロジェクトの計画とその進捗、実績工数などの実態の入力ができれば、作業(タスク)が完了に向かっているのかの推移情報やメンバーの空き状況や負荷状況などを手軽に確認できます。
実態が見えると「プロジェクト完了をするためには何をすればよいのか?」策を打つことができます。そういった意味でTimeTracker NXは現場の羅針盤です。
■TimeTracker NXが得意なこと『シンパ( sympathy)』
TimeTracker NXができること、得意なことを簡単に紹介します。
【プロジェクト管理】
・計画作成
プロジェクトの立ち上げは非常にスムーズに行うことができます。
対象プロジェクトにアイテム(パッケージ・タスクなど)を入力することでスタートします。操作はシンプルですので、だれでもすぐに実行できます。
プロジェクト、業務を構成する仕事を階層化し、フェーズ・工程や作業ごと担当者の割り当て(リソース割り当て)、スケジュールを入力できます。16階層まで定義することができるので、より詳細の粒度の作業(タスク)を設定することができます。
また、実際のプロジェクトにおいては、必ずしも最初からすべての詳細計画が決まっているわけではありません。まずは大まかに計画を立てて、段階的に詳細化もできます。ざっくりした計画の立て方もできます。
・進捗確認
進捗情報自体は、「進捗率」の数字を直接入力することもできますし、「ステータス」でシンプルに設定することもできます。ステータスだと、現在どのような状況なのかが明確です。ステータスの選択肢は、ユーザーの業務内容に応じてカスタマイズできます。
作業(タスク)の進捗状況は、ガントチャート上のイナズマ線を使えば、簡単に現状の進み具合・遅れ具合が視覚的に確認できます。例えば、WBSの上の階層を見て遅れがあれば、下の階層を開いて確認し、原因を調べていくことができます。
・横断分析
複数のプロジェクトであっても、1画面上ガントチャートで進捗状況や工数の状況を確認できます。
また、プロジェクトを横断してメンバー単位でタスクの進捗状況を一覧化するビューも用意しています。遅れが大きい順に表示される作業(タスク)をそのまま優先度付けに活用できます。
【工数管理】
・入力
TimeTracker NX最大の特徴は、工数入力の使いやすさです。
マウスのドラッグ&ドロップだけで、煩わしくなりがちな毎日の工数入力が、簡単に実現できます。大切にしているのは毎日工数を入力すること。それを実現することでメンバー一人ひとりの正確な仕事の実態を明らかにします。
・出力
入力した工数は、すぐに集計されて内訳が確認できます。
自分の仕事ぶりの振り返りにも使えます。レビューや手戻りの工数なども手軽にチェックできます。工数をきちんと入力すると、自分自身にとってもメリットがあります。
加えてメンバーごとに入力された「実績工数」は期間を指定し、全てエクスポートすることができます。
・分析
計画工数と実績工数の予実も、ピボット分析機能を使い横断分析ができます。
集計軸を自由に入れ替えて、プロジェクト別の工数を並べて見たり、そこから人別や工程別に詳しく見たりといったことが簡単にできます。さらに、計画と実績を並べて、工数やコストの予実分析もできます。
どのプロジェクトがコストを超過しているのか、プロジェクトのどの部分に問題があるのかということが、すぐにわかります。
【要求・不具合管理】
TimeTracker NXでは、プロジェクトの管理対象を自由に定義できます。
プロジェクトの現場では「課題」や「リスク」など様々な管理対象が日々発生します。開発業務であれば「不具合」や「要求」の管理も重要です。
これらの項目も、TimeTracker NXならまとめて管理し、工数・コストのデータを入力することで、プロジェクト活動全般の統合管理が実現できます。
【システム連携】
TimeTracker NX はシステム間のデータ連携をサポートするためのWeb API を搭載しています。
毎日の運用で使用するほぼすべてのデータがAPIで操作可能です。例えば以下を実現できます。
・他システムのプロジェクトデータを入力にしてTimeTracker NXのプロジェクトを作成する。
・TimeTracker NXで管理している工数やプロジェクトの情報を他のチケット管理ツールや業務システムと同期する。
現在は、Redmineと連携するツールをリリースしています(プロジェクト管理ツール間でアイテム情報をリアルタイムに同期 | TimeTracker NX Sync)。
■TimeTracker NX単体では力不足なこと 『アンチ(anti)』
・個人計画と予定と実際の差を管理すること(マイクロマネジメント)
☜精度の高い工数が集まると、管理者はメンバーに対して「予定と実績の乖離理由」を追求することができるようになります。
管理者のお気持ちはわかるのですが、厳しい追及がモチベーションを下げる要因の1つであることも弊社のヒアリングでわかっています。
Outlookの予定やGoogleカレンダーの連携は可能ですが、個人計画に関しての予定と実績の差異に関しては、追求しません。
・高度な勤怠管理
☜TimeTracker NXの工数情報を基に「出勤退勤時刻」「労働時間」を自己申告させることはできます。
しかし、自己申告させる場合でも「適正に報告させる」「適宜実態調査を行う」ことなど社内での制度・ルールづくりは必要です。
また勤怠情報には現場管理者の「承認」と「現認」(※本当に実際そうだったのか目視確認すること)が必要となる場合があります。このことから、TimeTracker NX単体では、勤怠管理を完成させることは難しいでしょう。運用を検討のうえ、他のシステムと連携させて利用することをおすすめします。
・高度なダッシュボードやレポーティング
☜お客様独自の視点や条件で、TimeTracker NXに入力した情報をレポーティングしたい際、分析機能やダッシュボードだけでは全ての条件を満たすことができない場合があります。
この場合は、BIツール「Domo」と連携するなど、柔軟に対応することをおすすめします。
■まずは自社課題の整理と情報取集を
今回は、改めてTimeTracker NXが提供できるソリューションに関して書きました。
開発者は、「TimeTracker NXは万人が利用するなんでもできる十徳ナイフではなく職人が利用する切れ味が鋭い包丁です」と例えています。
製品担当の私としては、お客様の課題や現場の悩みから解放したいと強く思います。
ただし、ツールとしてTimeTracker NXがパワーを発揮するシーンはすべてではありません。
是非、お客様の課題を私に教えてください。
さらに詳細の情報をコミュニティサイトのQA等をご活用ください。
TimeTrackerコミュニティ (commmune.com)
執筆者 近藤 剛人
株式会社デンソークリエイトで、TimeTrackerNXの開発以外のすべてを担当しています。【コミュニケーション ハブ】として、ユーザーの皆さまに課題解決のためにできることを全てお伝えします。弊社開発にはユーザーの皆さまの業務シーンを捉えたうえで、機能要望をインプットします。言葉を尽くしたいと思っています。TimeTracker NXは工数管理に特化したツールです。できること・できないことはあります。導入~定着までの運用に関する質問やご相談は全て承ります。 トラブルの予兆や機能理解・操作に迷いがある場合は、一度お声がけください。ブログ上ではなく、ユーザーの皆さまと直接対話したいと考えています。2023年度は【マーケター】兼【TTNXカスタマーサクセスエンジニア】になれるように日々精進します。