工数管理ってなぜ必要なの?~タスク・チケット管理を高度にする~
工数管理
執筆者 近藤 剛人 [2022.02.16]
■タスク管理・チケット管理の難しさ
私は2009年10月に無職になりました。
リーマンショックの影響で、在籍していた広告代理店の業績が悪化し、一時帰休を命じられ、そのまま退職となりました。
そのトラウマもあり、自分にタスクやチケットがたくさん割り当てられていることに、安心感を覚えます。
自分の仕事の詳細と量が見えていることが仕事の動機につながっています。
要求や課題、計画などを作成し、メンバーにタスクを渡していくタスク管理・チケット管理。
タスクの可視化を目的として、それを支援するツールは多くあります。
Jira SoftwareやRedmineが有名ですが、そのほかにもたくさんツールがリリースされています。
弊社のTimeTracker NXもタスク管理・チケット管理を支援する機能があります。
一方で、タスク管理・チケット管理を行っているけどもうまくいかないという声もあります。
割り当てや仕事の可視化に優れたタスク管理・チケット管理が失敗するのはなぜでしょうか。
本稿では、タスク管理・チケット管理の難しさを整理しつつ、前に進む方法を考察していきたいと思います。
■タスク管理ができない時・うまくいかない時
タスクは「仕事」の構成要素です。「仕事」には条件があります。
・顧客の期待に対して価値提供できること
・納期があること
・ステークホルダーなど対象がいること
などと定義できます。
その条件を満たす仕事が、分解されてタスク・チケットという形で割り当てられます。
タスク・チケットは全構成の一部・一面にすぎません。
タスク・チケットだけを管理しても、仕事の全体像はわかりません。
全体像が分からないと、レベルや意味がわからないので、どのくらい工数を割くべきなのかが曖昧になります。
また、様々な過程のなかで、優先順位がつけられなくなり、仕事が進まない可能性があります。
仕事の依頼者は、タスク・チケットによりある程度可視化できるので、安心できますが、タスク・チケットをつくっても、ちゃんと仕事を完遂できなければ意味がありません。
依頼する人・仕事をする人ともにタスク・チケット管理を上手くするためには
・タスクのレベルを確認すること
・タスクのステータスを確認する
・タスクのリソース負荷に目を向ける
などを行う必要があります。
■タスクのレベルを確認する
タスク管理でうまくいっていないビジネスパーソンに取材をすると、粒度の異なるタスクを玉石混交で抱えているケースが多いことがわかっています。
仕事は大きい⇒小さいもの順で構成されています。そのためレベルや関係性に目をむける必要があります。
例)
・森>木>枝
・オブジェクト>クラス>インスタンス
・プロジェクト>工程>タスク
小さいものを見るだけでは、仕事がどこに影響するのかわからなくなり、能性が高くなり優先順位やスケジュールへの影響するリスクがあります。
対策としては、タスクのレベルや関係性を整理する必要があります。
【仕事の整理例】
△タスクを羅列したケース
〇工程などや優先順位などタスクを分類しかつ、状態を入力できるようにしたケース
タスク管理をより高度にするためには、タスクに意味を与え、関連性を明確化し、管理するための情報を明確にすることが大切です。
■タスクのステータスを確認する
タスクは仕事の要素です。当然仕事には“納期”があります。
そのため、必ず進捗を管理する必要があります。
また、管理する内容に応じて“結果”も記入することも大切です。
図:かんばんでのステータス変更と結果入力のイメージ
タスクの進捗は様々なステークホルダーに影響することが多いはずです。
仕事を行った事実を記録することは、依頼者やメンバーのためにもなります。
■タスクのリソース負荷に目を向ける
管理者がメンバーにタスク・チケットを発行することは簡単です。
しかし、仕事は完遂しなければなりません。
完遂するためには、メンバーが実行できる状態にあるのか、リソースに余力があるのか確認する必要があります。
リソースに余力があるのか確認するためには
・メンバーが実績工数を記録すること
・実績工数の値を基に負荷状況を可視化すること
の2つが必要です。
図:かんばんからの実績工数入力およびリソース負荷確認のイメージ
タスク管理・チケット管理とともに工数管理を行うことで、より高度なマネジメントを実現します。
■「急がば回れ」工数管理で業務効率を上げる
アジャイル開発アプローチを背景にタスク管理・チケット管理がトレンドになった時に、私は「めっちゃええやん‼」とテンションがあがりました。
手軽に、どんどん仕事を一覧化、ガンガン進めれば、スピードが向上し、伝統的なウォーターフォール型の仕事の進め方を打破できると思っていました。
しかし、効率的に良い仕事を完了することを目標にすると、タスク管理・チケット管理でも
・タスクのレベルや関係性を決めること
・ステータスや結果の記録をつけること
・工数を基準にリソース負荷管理をすること
を外すことはできません。仕事の本質は共通なのです。
加えて、現在はムリ・ムダ・ムラをなくし、永続的に仕事を進めることが求められています。
品質の高い仕事を限られたリソースで継続するために必要なことを考え続けることが大事になります。(参考:工数管理の意味とは~工数管理のメリットを考える~ (denso-create.jp))。
良い仕事をするためには、遠回りかもしれないですが、仕事のレベルや関係をデザインしたうえで、工数をキーにマネジメントすることが重要です。
今回ご紹介したタスク管理・チケット管理的なアプローチと工数管理の統合管理を体験できます。
ぜひ、TimeTracker NX5にご興味がある方は体験版をご検討ください(https://timetracker.denso-create.jp/evaluation-version?)。
執筆者 近藤 剛人
株式会社デンソークリエイトで、TimeTrackerNXの開発以外のすべてを担当しています。【コミュニケーション ハブ】として、ユーザーの皆さまに課題解決のためにできることを全てお伝えします。弊社開発にはユーザーの皆さまの業務シーンを捉えたうえで、機能要望をインプットします。言葉を尽くしたいと思っています。TimeTracker NXは工数管理に特化したツールです。できること・できないことはあります。導入~定着までの運用に関する質問やご相談は全て承ります。 トラブルの予兆や機能理解・操作に迷いがある場合は、一度お声がけください。ブログ上ではなく、ユーザーの皆さまと直接対話したいと考えています。2023年度は【マーケター】兼【TTNXカスタマーサクセスエンジニア】になれるように日々精進します。