【ユーザー事例】TimeTracker NXクラウドサービスで、実績工数を活用し、社員の成長の源泉にする

 

「社員の管理のため ではなく、実績工数を社員の成長のために使いたい!」
株式会社マエダモールドの前田社長はそう熱くお話されました。

本稿では、TimeTracker NXクラウドサービスを導入するにあたっての同社の事前課題や導入後の変化などに触れながら、「実績工数を成長の源泉にする」という意味に関して伺います。
本稿がこれからTimeTracker NXをご活用されるお客様の参考になれば幸いです。

本稿でお話する内容のポイント
・マエダモールド様のご紹介
・TimeTracker NX 導入前の課題
・TimeTracker NX の効果
・TimeTracker NXクラウドサービス のうれしさ
・これからのチャレンジ

インタビュー対象者
株式会社マエダモールド
代表取締役 前田茂臣様
 技術部長 真砂博行様 

  写真:代表取締役 前田茂臣様

 

―本日はよろしくお願いします。はじめに会社紹介をお願いします

前田社長:

はい、よろしくおねがいします。当社は1954年の創業の会社です。

日本六古窯の1常滑焼の技術を基礎にあらゆる石膏型を製造する技術を擁し、“モールド(鋳型)医療の分野でのものづくりをしています。“常滑焼”の技術をベースに、当現在は2つの事業を柱にしています。

一つ目は、「モールド事業」です。あらゆる用途の石膏型の製作、樹脂型、治具、意匠・モデル製造を手掛けています。皆さんが目にする商業施設の壁は当社がデザインを手がけたものかもしれません。

二つ目は、2011年に開始した「人工ボディー事業」です。石膏型、樹脂成型の技術を応用し、病気や怪我で体の一部を失った方のためにエピテーゼを製作する事業で、製品は“人工乳房”などです。 この「人工ボディー事業」は、患者さんに希望を与えることができ、エンドユーザー様や医療関係者様から高い評価をいただいております。

どの事業も量産は1割程度で、ほぼ1点ものを受注生産しています。お取引様には、大手企業様も多く、高い期待もいただいているので、納期や品質には常に気を配っています。

 

―ありがとうございます。そんな御社の導入前の課題は何だったのでしょうか?

前田社長:

TimeTracker NX導入前の当社の課題は大きく3つありました。

(1)全体把握できる統合的な計画表がなかったこと

(2)進捗の確認・共有に時間がかかっていたこと

(3)業務実績の報告・集計に工数がかかっていたこと

具体的に申しますと

課題の(1)(2)に関しては、毎朝、受注業務や社内アクションアイテムを確認するために、ホワイトボードにポストイットを貼るなどして行っていました(この取り組みは現在も続けています)。

しかしながら、詳細な工程や手番の状況を把握することが難しい場合があったのです。これまでは、社員同士の口頭でのコミュニケーションや個別のExcel帳票などで進捗を共有していましたが、複雑な工程や作業がある案件では手戻りが発生していました。

また、記憶や勘に頼っていたため、思い出すストレスや思わぬミスなどで負荷もかかっていました。それを無くしたかったですね。

 

受注管理

上記はホワイトボードカンバンのイメージ 取材もとに筆者作成 

同社は現在も朝礼とカンバンボードの活用を継続している

 

また、月次の業務報告を行う際に、「どの作業にどれだけ時間を費やしたのか」を社員が記憶を頼りに実施する…この行為も管理工数を要していることになる、と問題視をしていました。

これは、課題(3)に該当する内容なのですが、「報告のための時間を社員に使わせてしまっていること」に経営者として申し訳ない気持ちがありました。

真砂さん:

たしかに、報告のための集計作業はつらいものがありましたよ(笑)。場合によっては半日くらい時間を使う社員もいたので、時間がもったいないなと感じていました。

(2)進捗の確認・共有に関していえば、納期は意識していますが、個々の仕事を完結しても、次工程や他の手番との連携には大変さもありましたね。

前田社長:

これら3つの課題を解決するためにフリーソフトを含めて、色々探したのですが、なかなかフィットするツールが無くて…。

受注業務の計画と社員の工数を同時に見れるTimeTracker NXに出会えてよかったです。

 

―ありがとうございます‼導入後の変化や効果はいかがでしょうか

 前田社長:

案件管理の計画の入力と業務報告(実績工数)の入力の2つの観点で成果がありました。

過去に、「全体計画を書いていこうよ!」と号令をかけて、紙やExcelに書いてもみたのですが、更新やメンテナンスが大変で、やりきれなかった苦い経験があります。TimeTracker NXを利用することで、案件ごとのスケジュールを詳細に、かつ、簡単に入力できるようになったのがひとつめの大きな成果です。

主に「受注業務」と「アクションアイテム」という2つのプロジェクトを作成しています。

「受注業務」のプロジェクトの中に顧客ごとの開発計画など詳細なWBSを定義しています。主な入力はワークアイテム、計画スケジュール、計画工数、リソースの割り当てなどです。社員はリソース割り当てされると自分が担当する業務が見えます。その都度ステータスの更新を行うことができます。管理者は全体の状況が見えるので、口頭による報告を中心とした状況確認をしなくても、状況を捉えることができるようになりました。

二つ目の成果は、実績報告の精度が上がり、報告の負荷が軽減したことです。
先ほどお話した通り、業務報告を月次で行っているのですが、社員自身が割り当たった仕事をタイムシートで確認し、マウス操作で入力するだけなのは楽ですね。

入力が数秒で出来て、私が見ようと思えば実績エクスポートで情報を取り出し、集計も出来ます。社員に入力の負荷をかけることなく、私自身も粒度のそろわない情報をわざわざ待つことも無くなりました。経営者と社員双方でできていた、心の溝がなくなったのではないでしょうか(笑)。

真砂さん:

私を含め、社員は自分の仕事ぶりを振り返るのが楽になったと思います。社員はタイムシートのクイックレポートをよく利用しています。

私も月に一度、前田と面談するのですがその際の実績報告などに活用しています。

前田社長:

真砂さんからそう言っていただけるのは嬉しいですね。現場に新しいツールを導入するのは、抵抗もあると思っていたので、とても安心しました。

現在、私がプロジェクト計画を入力しているのですが、「社長、まだリソース割り当てされていませんよ」「この仕事はどのワークアイテムで実績入力しますか」など、社員自身も自分の仕事を認識し、当事者意識をもってやりきろうという風土が芽生えているで、手ごたえを感じています。

 

―具体的な使い方をご紹介いただけますでしょうか

前田社長:

さきほどお伝えした通り、「受注業務」と「アクションアイテム」という2つのプロジェクトを主に使用しています。

「受注業務」というタイトルのプロジェクトを作成し、その中に顧客ごとのアイテムを作成しています。

「顧客名」>「担当者」>「納品完了(工程)」>「製品」>「作業(タスク)」のような階層構造で仕事を定義しています。

そのうえで、担当者の割り当て(リソース割り当て)、開始日・終了日(納期)、計画工数を入力しています。

担当者は、自分の仕事を行ったら、実績工数をタイムシートから入力し、進捗があれば、ステータスを変更します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロジェクト「受注業務」のイメージ 取材をもとに筆者作成

 

「アクションアイテム」は、社内の自主的な活動を定義しています。

顧客からの要請される仕事も一部あるのですが、基本的には、自社や社員のレベルアップを狙った仕事を一覧化し、受注業務と並行して、実施します。

こちらも担当者の割り当て(リソース割り当て)、開始日・終了日(納期)、計画工数を入力して、更新があれば担当者が処置します。

 

 

 

 

 

 

 

 

プロジェクト「アクションアイテム」のイメージ 取材をもとに筆者作成

 

「マイページ」はまだ使いこなせていないのですが・・・デンソークリエイトさんから便利ですよと提案をいただきましたので活用を検討しています。

自分の仕事の進捗を、プロジェクトを横断してワークアイテムごとに確認できるので、社員自身のTo Doを見落とさないように活用を促していきます。マイページから実績工数が入力できるのも便利だと感じています。

「マイページ」のイメージ 

 

―クラウドサービスを選択した理由もお聞かせください

オンプレ版を導入するためには、自社でサーバーを用意し、維持管理を行わなければならないことになります。その導入・維持コストを懸念していました。また、社内には、サーバーの維持・管理についての専門家が居ないため、障害があった際の対応も不安でした。

クラウドサービスは、導入コスト・リスクが低く、かつ、早期スタートが見込めるので、迷わず選択しました。

 

―未来を見据えて今後活用していきたいことはありますか?

前田社長:

タイムシートに入力している実績工数を社員の成長に活かしたいと思っています。組織は人なり「社員あっての会社」です。

当社の仕事はいわゆる職人気質なところがあります。状況の共有はコミュニケーションが中心であり、誰が・どの仕事に・どれだけ時間をかけているのかは、正確に計測することが難しいのです。

TimeTracker NXに入力している情報を活用すれば、工程や作業にどれだけ時間がかかるのか、先輩社員であればどのくらいの時間で出来るのか が集計できています。若手社員に「今までは5時間かかっていたこの仕事、2時間で出来るようになるには、どうすれば良いだろうか?一緒に考えようよ」、「手番の理解に不足はないか?勘所を共有しようよ」といった成長を促すことができます。そういった使い方をしていきたいですね。

 

 

写真:株式会社マエダモールド 社員の皆さま

 

―前田社長、真砂さんインタビューのご協力ありがとうございました。

本稿は、導入検討をされている方に向けて書きました。マエダモールド様がどのような課題をもち、それをTimeTracker NXでどのように解決しようとしているか について、皆様のご参考になれば幸いです。

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