この記事は、工数を始めたいけどメリットに関して腹に落ちていない方、メンバーに納得感を共有できない方に向けて書いていきます。1分程度で読めるのでお付き合いください。
前回工数管理を阻害するものに関して書きました(ご興味ある方はコチラをご覧ください)。
はたして、メンバーと目的を共有し、地道に工数管理を行う先には、どんな“ご利益”があるのでしょうか。
本稿ではその点に関して考えていきたいと思います。
工数管理を語る前に、そもそもビジネスパーソンに求められてるスキルに関して考えてたいと思います。実は様々な団体が21世紀型スキルを定義しています。今回はATC21sが提唱する内容を紹介します。
ATC21sは、2009年1月に発足した21世紀型スキルを提唱するプロジェクトの名称です。
正式名称は「Assessment and Teaching of Twenty-First Century Skills Project」で、日本語では「21世紀型スキルの学びと評価プロジェクト」と翻訳できます。
マイクロソフト、インテル、シスコシステムズをスポンサーとして名を連ね、アメリカ、イギリス、フィンランド、シンガポール、オーストラリア、ポルトガルの6か国が加わっています。
●思考法(Ways of Thinking)
●仕事のやり方(Ways of Working)
●仕事のツール(Tools for Working)
●生活(Ways of Living in the World)
の4つで分類されています。
今回は【思考法】と【仕事のやり方】を取り上げ、工数管理と関連する箇所について触れます。
【思考法】
・創造力と革新性(Creativity and innovation)
・批判的思考・問題解決力・意思決定(Critical thinking,problem-solving,decision-making)
・学びの学習、メタ認知(認知プロセスについての知識)(Critical thinking・problem-solving・Learning tolearn/metacognition)
⇒つまり、21世紀型スキルとは、仕事を通じて学びの中で、自己を振り返り、良く知り、もっと良くならないか考え、問題解決や意思決定を通じて、創造と革新を行うことです。仕事を通じて「自己を振り返り」「問題解決や意思決定」という箇所が特に大切になります。
仕事のなかで、自己を客観的に振り返るためには実績を見るのが一番です。実績工数を用いて振り返ることで、精度の高いメタ認知を行うことができます。また、工数をベースにコスト算出し、採算をジャッジし、新たな事業や革新分野への投資計画に反映することもできます。
【仕事のやり方】
・コミュニケーション(Communication)
・コラボレーション(Collaboration)
⇒自動車業界では*CASEと呼ばれる新しい領域で技術革新が進んでいます。21世紀型の働き方では、従来の分野との協業や多彩な仕事が生まれ、他領域のメンバーとの対話や人と人で行われる知覚・思考・技術の伝達は避けては通れません。
*CASE:「C(Connected/コネクテッド)、A(Autonomous/自動運転)、S(Shared & Service/シェアリング・サービス)、E(Electric/電動化)の頭文字をとった造語」
まずは、だれがいつ何の仕事をしているのか明らかにならなければコラボレーションできません。また、どのプロジェクトの経験があるかなど、保有資格だけではない、“生きた実績”をとらえないと、思考・技術などのコラボレーションは成立しません。
それを助けるのが、仕事の経歴書たる実績工数です。
21世紀型スキルと工数管理との関連性をざっくりと述べました。
21世紀型スキルの詳細の説明は別の機会に委ねるとして、21世紀型スキルと工数管理との関連性が高い箇所に関して触れつつ、そもそもの工数管理の“ご利益”に関して考えていきます。
(【公式】デンソークリエイトの工数管理成功ノウハウをお教えします (denso-create.jp))
上記の表でざっと列挙するだけでもメリットはたくさんあります。21世紀型スキルと親和性を持つキーワードは下記が例として挙げることができます。
・メタ認知←実績工数により仕事ぶりがわかり、忙しさの可視化ができる
・問題解決←仕事の内容の改善、コスト超過の改善
・革新←コスト改善と成長投資の実行
・コミュニケーション←メンバーの仕事ぶり可視化
・コラボレーション←部門・プロジェクトを横断したコストや実態の把握
次章では、役割ごと工数管理がもたらす“ご利益”を紹介していきます。
社員一人ひとりの工数管理のご利益は「仕事ぶりが見えること」です。
前段、21世紀型スキルを基にビジネスパーソンには「メタ認知」が大切と述べました。
メタ認知に代謝をかけるためには、自分自身の仕事が客観的に見えなければなりません。しかしながら、「知能労働者」にとっては、仕事の実態や成果を見えづらいものです。
工数管理を行うことで、いつ何をやっているのか仕事ぶりがわかり、忙しさの根拠や仕事の効率化度合いを可視化することができます。セルフマネジメントが数値的根拠を持ってできることがメリットです。
チームにとっての工数管理のご利益は「コミュニケーションに時間をかけずに、メンバーの状況や仕事の問題点がわかること」です。
個々がいつ何の仕事をしているかわかると自ずからプロジェクトの各工程ごと工数が足りていない箇所を発見し、問題があれば手を打つことができます。
多くのチームの悩みはプロジェクト計画だけが先行し、その実態が把握できないので、問題解決が終了間際になるこという声があります。工数管理を行えば、未然に問題解決を行うことができます。
組織全体とっての工数管理のご利益は「コスト改善による利益確保し成長分野へ投資できること」です。
社員、プロジェクト、部門単位での工数を軸としたコストを算出することができるため、赤字領域のテコ入れや成長分野の革新のため、ハイパフォーマー同士を戦略的にコラボレーションさせることもできます。
工数管理で得た“生きた数字”を経営に反映することができます。
つまり、工数管理はどの役割にも利益をもたらし、21世紀型スキルも支援するとことができるのです。
本稿では、工数管理を行う先には、どんな“ご利益”があるのか述べました。
・21世紀型スキルを工数管理は支援する
・社員一人ひとりの工数管理のご利益は仕事ぶりが見えること
・チームにとっての工数管理のご利益は「コミュニケーションに時間をかけずに、メンバーの状況や仕事の問題点がわかること
・組織全体とっての工数管理のご利益は「コスト改善による利益確保し成長分野へ投資できること
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