「配員計画って、ちゃんとできていますか?」
この質問に即答できる会社は、意外と多くありません。
現場でよく見るのは、たとえばこんな状態です。
とりあえずプロジェクト計画(WBS)を作っている
“空いていそうな人”を見てなんとなく割り当てている
Excelで各チームがそれぞれ配員表を持っている
どれも“あるある”ですが、冷静に見ると 「配員“計画”」というより「配員“対応”」 になっているケースがほとんどです。
この記事では、配員計画をテーマに
ありがちな3つのタイプ
そこから生まれる「3つの壁」
自社の現在地をざっくり把握するセルフチェック
見直すときの実務ポイント
を整理します。TimeTracker NXなどの工数管理ツールを使っている方はもちろん、「そもそも配員計画って何から?」という方にも、まず“立ち位置”を掴む材料になればと思います。
まず、部長クラス・PMO・現場PMに投げてほしい“✨キラー質問”を3つ用意しました。答え方で、現在地がだいたい見えます。
✨キラー質問
「配員計画って、ちゃんとやっていますか?それとも、いきなりプロジェクト計画に落とし込んでいますか?」
典型的な状態
いきなりWBS/ガントを作り始める
「この人、今あいてる?」でアサインが決まる
配分は管理職の頭の中と会議だけで決まる
一見まわっているように見えても、じわじわ効いてくるリスクを抱えます。
忙しい人に仕事が集中する
案件が増えた瞬間に破綻する
「誰が何%埋まっているか」を誰も説明できない
✨キラー質問
「配員計画、回っていますか?Excelが壊れたり、どれが最新版かわからなくなったりしていませんか?」
典型的な状態
チーム/部門ごとにExcel配員表がある
担当者しか式が理解できない
行列を少し触るだけで参照が崩壊する
フォルダに「最終版_最新_ver3_final.xlsx」が並ぶ
この状態の怖さはシンプルで、Excelが壊れた瞬間に“配員の全体像”も壊れること。
さらに、計画変更の履歴(いつ、何を変えたか)が残りにくいのも問題の温床になります。
✨キラー質問
「配員計画はできていますが、計画と実績の比較をどのくらい定期的に見ていますか?」
一見“優等生”に見える層です。
配員表は整っている
開始前にそれなりの精度で計画が作れる
レビュー会議でも計画は説明できる
ただ、よく聞くとこうなりがちです。
実績が別システム/別ファイルで、突き合わせが面倒
「当初計画 vs 現在配員」を定点観測していない
気づいたらギャップが“見なかったこと”になる
結果として、「計画が独り歩きする」状態になります。
上の3タイプを俯瞰すると、詰まりどころはだいたいこの3つに収束します。
行・列が増えるほど参照が崩れる
担当者の異動・退職で修正不能になる
マクロ/複雑関数でブラックボックス化する
結果
「このExcelがないと配員できない」状態になる
ちょっと変えたいだけなのに怖くて触れない
上書きして当初案が消える
月次/四半期の“計画FIX”が曖昧
「あの時点の前提」を検証できない
結果
読み違いなのか、途中変化なのかが分からない
学びが残らず、毎回ぶっつけ本番になる
実績比較が年に数回のレビュー止まり
実績は取っているのに配員表との関係が見えない
経営会議が“なんとなくの感覚”になりがち
結果
計画が「作ることが目的」になって意思決定に効かない
赤字案件や逼迫に後から気づく
次の質問に「はい/いいえ」で答えてみてください。
プロジェクト開始前に「誰を・いつ・どの業務に」を一覧で説明できる
配員の一覧は、Excelではなく“全員が同じ画面・同じデータ”で参照できる
配員計画の「当初案」「見直し版」を節目ごとに保存し、比較できる
配員計画と工数実績(TimeTrackerなど)を同じ粒度で照合できる
「この配員で黒字になりそうか」を開始前におおよそ判断している
「いいえ」が多いほど、タイプ① or ②(そもそも未整備/Excelで疲弊)または、壁①〜③のどれかに陥っている可能性が高いと思われます。
ここから先は、現場で効きやすい改善観点を4つに絞ります。全部やろうとすると崩れるので、刺さるところからでOKです。
プロジェクト計画(What/When)とは別に【Who(誰が・いつ・どのくらい)】を一段手前で設計します。
「空いている人を埋める」から卒業する
役割・スキル・育成も含めた配員方針を言語化する
いきなり全廃しなくてOKです。まずは
部門単位
重要プロジェクト単位
など、リスクが高い領域からExcel依存を下げるのが現実的です。
ポイントはこの2つ。
配員情報を一元管理できること
「誰が・いつ・どの案件に」を同じ画面で俯瞰できること
TimeTrackerのような工数管理ツールや、配員計画に対応した仕組みを組み合わせると、属人化・破綻リスクを下げやすくなります。
年度開始/四半期開始/大型案件キックオフなど、
**「ここで計画を一度確定する」**タイミングを定義します。
ベースラインごとに
当初計画
見直し後の計画
実績
を並べられるようにすると、「どこで読み違えたか」「どこでリカバリできたか」が見えるようになります。
工数実績が取れていても、粒度がズレると比較できません。
例:
配員:人月/月
実績:時間/日
このままだと、予実の議論が“それっぽい雰囲気”で終わりがちです。可能なら
人月/月
時間/月
のように、単位と粒度を揃えるのがコツです。
最後に要点だけまとめます。
多くの会社は
配員計画をしていない
Excelでなんとかしているが壊れがち
計画はあるが実績と結びつかない
のどれかに当てはまる
背景には
Excelが壊れる
ベースラインが残らない
計画が独り歩きする
という3つの壁がある
見直しの第一歩は
「うちはどのタイプか?」
「どの壁が一番痛いか?」
を言語化すること
そのうえで
Who(配員)を切り出す
Excel依存を一部から減らす
ベースラインを決めて保存する
といった“小さな改善”から始めるのが現実的
「配員計画って、ちゃんとできていますか?」この問いを、ぜひ社内で一度投げかけてみてください。
次のステップとして、
配員計画タイプをもう少し詳しく診断するチェックリスト
配員計画と工数管理(TimeTracker RXなど)を連携させる設計の考え方
も整理できます。この記事が、その入口になれば幸いです。