(前回課長Aとチームはざっくりと工数を集計した。詳細はコチラ)
[工数の偏りや具体的な課題がどこにあるのか真因を突き止めるためには、より詳細にプロジェクトごとに工数集計する必要がある」というメンバーの意見を受け、詳細な粒度の工数を計るために課長Aは各プロジェクトのWBS作成に着手した。
【詳細な工数集計の狙い】
・プロジェクトごとの実績工数を集計する
・対象プロジェクト工程ごとの実績工数を集計する
・対象プロジェクトの作業分類ごとの実績工数を集計する
⇒工数の偏りや具体的な仕事の進め方の課題がどこにあるのか真因を突き止める
【WBSの設計】
使用ツール:Excel、TimeTracker NX5
レベル1:〇〇開発プロジェクト(プロジェクト)
レベル2:工程名(パッケージ)
レベル3:作業名(タスク)※末端タスクの時は工数入力の対象
レベル4:必要に応じてレベル3以下にタスクを追加する※工数入力の対象
工程分類:各工程名で分類
作業分類:作業、管理(マネジメント、会議)、レビュー、手戻り
【ルール】
・レベル2までは標準WBSをテンプレートとして利用する。工程名は固定。
・WBS作成時時に作業名は自由に入力してOK。
・集計の軸とするためパッケージとタスクには必ず工程分類・作業分類を入力する。
課長AはWBS作成と入力のルールを定めて、メンバーへ展開した。
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こんにちは、デンソークリエイト近藤です。
詳細な工数管理を進めるためには、改めてソフト(意識・風土)とハード(制度・環境)に着目して行うことを整理する必要があります。
【意識・風土(ソフト面)】
・工数入力する目的や狙いを明らかにする
・工数入力する対象(プロジェクトやユーザーなど)を明らかにする
・必要に応じて説明会を行う など
【制度・環境(ハード面)】
・プロジェクトのWBSの作成ルールを決める
・入力のルールを決める
・集計のルールを決める など
詳細な工数管理を進めていく際には特にプロジェクトのWBSをどのように設計すればよいのか悩むことがあると思います。
ポイントは3つ
上記に着目することをおすすめします。
上記は課長Aチームのプロジェクトの実績工数を「工程分類」「作業分類」の軸で分類し、ダッシュボード表示した例になります。
ダッシュボードでざっと確認しただけでも
・管理工程の工数比率が9%(仮に10~15%が管理工程のベースラインとした場合はやや低い)
・手戻りの工数が多い(工数を投下してもプロジェクト完了が危うい)
・レビュー工数は低い(レビューを行っていないことが手戻りの理由では?) など
さまざまな「考察」や「意味づけ」を行うことができます。工数は静かに結果としてそこに現れます。
工数に意味を見出すのがビジネスパーソン(人)の仕事になります。
見えた結果を踏まえて、課長Aのチームは議論を始めました。
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A製品の開発プロジェクトの中間振り返りを行った際に
「急いでやるとミスがでて、手戻りが発生する。そもそもプロジェクトのプラニングと納期に問題があるんじゃないか?」
メンバーの一人が呟いた。そうだそうだと賛同の声があがった。
“確かに”と思う反面、“ほんとうか?”と課長Aには腑に落ちない点があった。
「結論に飛びつく前に、実績工数の結果を丁寧にチェックしていかないか?」
そう声をかけ、会議を終了としたうえで、後日もう一度プロジェクトの遅れの「真因」はなにかを議論することにした。
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仕事にはPDCAが大切ですと言われます。
その中でも特に「C」が重要と我々デンソークリエイトは考えています。
順番を変えて「CAPDo(キャップ・ドゥ)」で仕事をしようと提唱しています。
工数・プロジェクト管理を例にすると
C:工数をキーに仕事の実態や課題点を明らかにする
A:プロジェクトの遅れや仕事課題の真因がどこにあるのか定めたうえで、改善をする
P:改善を踏まえたうえで、精度の高い計画や見積を立てる
D:納期や完成に向かって行動する
こんなイメージです。
課長Aのチームの次のチャレンジはより詳細の工数を収集し、具体的な課題を改善していくフェーズに入ります。次稿はStep3としてそのあたりをお話します。
本稿ではプロジェクトのWBSに関してお話しました。さらに情報を得たいという方は、下記の資料を手に取ってください。またカスタマーサクセスへ直接相談も可能です。
すべてのビジネスパーソンの幸せにするためにTimeTracker NXは存在しています。