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工数管理を続けて30年。わかりそうでわからない工数管理とはなにか?デンソークリエイトが解説する

作成者: 執筆者 近藤 剛人|Nov 7, 2021 9:32:00 PM

こんにちは、デンソークリエイトの近藤です。

私がデンソークリエイトに入社して、リアリティショックをうけたのは「工数管理」をしていることでした。

私は過去いくつかの会社を経験しています。

ただし、いずれの職場も仕事に対して納期はセットされていても、だれが、どれだけ時間をかけるべきかには関知していませんでした。

(私自身が、過去の在籍した会社のことを批判するつもりは毛頭ないのですが、ひとつの事実として)私の経験した職場では、計画を立てているにも関わらず、最終的納期が近づくと「いいからやれ」 「間に合わせろ」 「頑張れ」など根性論が展開されていました。

根性論が全面的に悪いと言う意図はありませんが、目の前の納期に向かって、どれだけ残業時間を投下しても構わないからとにかく間に合わせると、手戻りも多く発生していました。

結果、現場は疲弊していました。

一方で、デンソークリエイトの計画や仕事量は工数を基軸としています。「このプロジェクトのこの作業は実績工数からこれくらい必要である」と仕事にかかる時間の見積もりがとれています。

そのため、納期に対して、健全なスケジュールを立てることができ、どのくらい時間が必要なのか依頼元・委託元と交渉することも可能です。

デンソークリエイト工数を集計し、それを基に仕事をしているだけなのに、こんなに理性的で健全な仕事の進め方ができるのかと衝撃をうけました。それが入社して感じたリアリティショックでした。

本稿では、工数の基本的な内容に関して触れ、工数管理のメリットや成功のポイントを考えていきたいと思います。

工数管理ってなに?なぜやるの?

デンソークリエイトも工数管理を行うことで、改善を続けてきた1社です。

仕事に従事するメンバーが投下できる時間を工数と呼んでいます。言い換えると

工数 = 仕事の実績時間 = 人件費 = コスト です。

工数管理とは、「仕事の実績時間を見えるようにし、時間のかかる仕事を見つけて改善すること」です。

工数管理は、まるで「家計簿をつけること」に似ています。

収入に対して支出がオーバーにならないように、限られた工数をうまく”やりくり”することが大切です。

工数管理は製造業だけの話じゃありません人が仕事をする、あらゆる業界・業種で同じことが言えます。

工数管理はどうやるの?意味あるの?

工数管理は強力なマネジメントシステムです。そのため実施を強くお勧めします。

「部門別のコストや実態」「業務・プロジェクトのコストや実態」を明らかにすることで

「コスト改善による利益確保」「利益を成長投資」できるためです。

また、メンバー一人ひとりがどんな仕事にどれだけ時間をかけているのかわからるため、瞬時に振り返りやアドバイスを促し、メンバーの成長に代謝をかけることができます。

私は工数を「希望の羅針盤」と捉えています。

自分の忙しさや時間のかかる仕事が見えるため、何に力を入れるべきか目標設定できるからです。

前職のような暗闇の中で、ずっと走り続けることはなくなりました。

工数管理の成功の3つのステップ

初めて工数管理を行う組織の場合は、メンバーと目的を共有することが大切です。

「工数集計が目的ではなく、仕事の見える化による自己成長を促し取り組みである」

「全員で生産性をあげていくためにおこなうので、トップもやります」など

組織の中で大切にすることをメンバー全員と共有して頂きます。

 

【Step1:まずはざっくりと仕事実態を記録していく】

まずは今の仕事内容を定義します。プロジェクト名→工程→作業分類といった大まかな定義でかまいません。

「仕事の粒度は?」と気にされる方もいらっしゃるかもしれません。

はじめは、大きな仕事の塊でいいので、ざっくりと決めます。そして、記録をしていきます。

この段階でも、「会議時間が20%も占めているんだな」

「業務外の時間に月15%も使っていたんだな」

といった、およその実態が見えます。

 

【Step2:より詳細な粒度で工数を記録する】

次は、仕事内容を細かく記録していきます。メンバーみんなで工数を入力して集計して、結果を共有しましょう。

「月120時間も、〇〇会議に使っていたのか」

「△△作業が、想定より3倍もの時間がかかっているな」

といった事実が見えてきます。ここまで来ると、改善ポイントが浮き彫りになってきています。

 

【Step3:小さな改善活動からはじめ効果を実感する】

見えてきた実態をもとに、どの仕事を改善したいか決め、改善しましょう。

「不要な会議は思い切ってやめてみる」「時間がかかって手戻りが多かった作業は時間をかける」「他部署の急ぎではない仕事は一度断る」など少しだけ内容や行動を変えるだけで、仕事をマネジメントしていくことができます。

そして、工数入力を続け、改善後に工数を集計してみましょう。すると、改善前/後の結果が見えることになります。

改善の結果はみんなで共有し、達成感をみんなで喜ぶことも重要です。

 まとめ(工数管理の実績)

・工数管理とは、「仕事の実績時間を見えるようにし、時間のかかる仕事を見つけて改善すること」です

・工数をマネジメントすることが生産性を上げるキーになりメンバーの成長を促します

・工数管理の目的を共有しStepを意識しながら徐々に進めることが大切

「本当に簡単に工数管理ってできるの?」と問われたら

「はい。必ずできます。」と答えます。

デンソークリエイトはTimeTrackerをリリースして以来17年以上にわたって企業様の業務改善をお手伝いしてきました。そこで培ったノウハウを持っています。

業種でいえば、ソフトウェア受託開発業、自動車部品製造業、機械設計業、シェアードサービス業、医薬製剤製造業、情報処理サービス業、建築設計業など多くの製造業やサービス業のお客様の工数管理、進捗管理、タスクの見える化などにお役立ていただいています。

また、職種でいえば、ソフト設計・開発部門、ハード設計・開発部門、情報システム部門、総務人事部門など職種問わず利用頂いている実績があります。

ご興味ある方は、下記の資料を手に取ってください。また直接相談も可能です。

皆様の仕事の改善、事業成長の一助になれば幸いです。