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工数管理はどうやるの? Step0~目的の共有・マインドセット

作成者: 執筆者 近藤 剛人|Nov 16, 2021 10:34:47 AM

■工数管理を始める 課長Aの事例

コロナの猛威が収束しつつあったある日。課長Aは役員Bの部屋に呼ばれた。

「なにかミスでもしたかな…?」身に覚えがない。一抹不安を覚えながらドアをノックする。

木製の重い扉を押すと「やぁやぁよく来た」と担当役員のBは軽やかに迎えてくれた。

面談は近況報告など和やかな雰囲気ではじまり、やがてぽつぽつと役員Bが本論を話はじめた。

「実はな…、リモートワークが定着して良い面もあるやけど、組織や仕事のサイロ化が進んでいることが課題と感じとる。そこで今こそ、温めてきたことを実行しようと思うとるんよ。その旗振り役をAさんにお願いしたくてな…。いやなに厳しければ、諦めるけど……どや?…ん?」

柔和な依頼口調であるが、実質業務命令だ。

課長Aは一も二もなくミッションを引き受けた…。

 ミッション内容:

「納期厳守にみんなが努めているのは知っている。しかし、誰がどのくらい時間をかけているのか実態がわからない。まずは、仕事の見える化のために、工数管理を始めてほしい」 

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こんにちは、デンソークリエイト近藤です。

設備投資はできない、人も増やせない、そんな中でも、生産性を上げないといけない。

さまざまな事情の中で、工数集計し、ムリ・ムラ・ムダを無くしていきたいという機運が高まっている企業様は多いと感じています。

一方で、具体的にどうやるのか?という問いに対して最適解を持っている方は少ないと思います。

今回は、工数管理の基本的な進め方をお話していきます。

(Step0~3の4編に分けてお伝えしていきます。それぞれ大切な要素があります。今回はStep0マインドセット/状況を整理するに関してお話します。)

 

■工数管理の目的を考える

詳細をお話する前に、工数管理の目的に関して触れます。

目的は企業や組織によってさまざまですが、

・メンバーの仕事の実態を把握し、生産性を上げるためのポイントを探したい

・プロジェクト計画進捗を正確にとらえるために作業の実績時間を計りたい

・いつだれがどれだけ仕事をしたのか実績量と成果量でメンバーの成長を支援したい

 など様々あると思います。

そんな思いの中で実績工数は「希望」となります。

仕事の完了までの道のりを計る重要なキーファクターとして、足元を照らしてくれるのです。

 

■Step0 マインドセット/状況を整理する

工数管理は大切です。しかし、それだけでは、現場のメンバーは納得しません。納期に追われ、ヒリヒリするような空気が現場に流れていることも多いでしょう。

何か新しい取り組みをする際にはチーム内でマインドセットを行うことをおすすめします。

「統合」「組織化」呼び方はいろいろありますが、「新たな取り組みの目的を伝え、みんなでやっていこう」という気持ちにすることが大切です。

 

冒頭紹介した課長Aさんの事例に戻ります。

30名のチームを率いる課長Aさんは状況を整理し、マインドセットをするために、メンバーへ1on1とワールドカフェを実施しました。

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■1on1の実施

今のチームに余裕はない。いきなり業務命令を持ち出すと反対や抵抗に遭うのは目に見えているので、一人ひとりと面談して、意見をヒアリングした。またリーダークラスとも仕事の改善をテーマに議論をすすめた。

ヒアリングして見えた課題点は下記だ。予想通り、取り組みに懐疑的だった。

ただし、収穫としては、不安の正体が「意識・風土」「制度・環境」にあることがわかったことは大きかった。

 

■ワールドカフェを実施

不安の正体はわかった。でも、そればかり言っても始まらない。

今後は視点を変えて

・どんなチームにしたいか(できるできないは問わない)

・そのために何が必要か(時間、工数、マネジメントの視点をいれて考える)

ワールドカフェ形式で自由に出し合った。グランドルールは「否定しない」「前向き」「自由奔放」とした。

アウトプットは以下だった。

【どんなチームにしたい?】

・失敗を責めるのではなく、助け合うチームにしたい

・開発プロジェクトをコントロールして、余裕をもって完了したい

・メンバーが生き生きはたらくチームが良いチーム

【そのために何が必要?】

・得意な人が不得意な人を助ける行動が必要

・時間の上手な使い方が必要

・誰がどの仕事をしているか見えると安心。助けやすくなる

 

課長Aはアウトプットを眺めながら、メンバーを侮っていた自分を恥じた。

『メンバー全員が実はどうあるべきか理想をもっていて、進みたい方向は一緒だったんだな・・・』

 

後日朝会で課長Aはメンバーへこう切り出した。

「困っている点も理想の状態も数値的な根拠がなければ、個人の意識や感想になってしまう。まずは大きな粒度で工数入力をし、現場の健康状態をスコア化することから始めないか

チームに前向きな気持ちが生まれ、活動に灯がともった。

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ご一読いただき有難うございます。Step0いかがでしたか?

次稿はStep1のお話をいたします。

ご興味ある方は、下記の資料を手に取ってください。また直接相談も可能です。

皆様の仕事の改善、事業成長の一助になれば幸いです。