「脱Excel」というフレーズはパワーがあります。
現場が変わりそうと期待させる非常に良いフレーズです。
Excelは様々な用途で使用されています。
TimeTracker NXの競合もExcelです。市場における巨人を打倒することは我々ツールベンダーの念願でもあります。
しかし、「脱Excel」をすることで、現場は混乱しないでしょうか。
本稿では、プロジェクト管理の現場で起こっている「Excel活用のケース」と「Excelの活用では難しいケース」を議論していきます。
余談ですが、現在中学校ではExcel3級レベルの内容を技術科目の授業で教えるそうです。
「中学生です。技術の授業でExcelを使っています。順位(RANK関数)をつけたいのですが1個だけエラーになって#N/Aとなってしまいます…」
といった類の相談が大手QAサイトで散見されます。
文部科学省発行の「教育の情報化に関する手引」検討案の「情報教育」の箇所にも
“観察,実験等,あるいは通信ネットワークから集めたデータをグラフに表し,比較したり傾向や規則性を調べたり予想したりできる”
と記述されています。
Excelは現代日本人にとって中等教育段階から身近なものになっていく可能性があります。
数年後に皆様が現場にお迎えする新入社員は、Excelに適応していることでしょう。
Excelは表計算ソフトです。
・関数で計算が簡単にできる
・データの加工を簡単にできる
・オートシェイプを使用して、説明図やフローチャートを作成できる
などが機能として挙げられます。弊社の仕事現場でもExcelを活用しています。
“帳票ツールとしては大変優秀ですから、私たちもプロジェクトのさまざまな局面で利用しています。例えば、全体の計画書はExcelでまとめても良いでしょう。プロジェクトのゴール、目的や顧客との合意事項、リスクや成果物の一覧などはExcelに記述して関係者と合意します。” (デンソークリエイト シニアスペシャリスト栗山)
Excelはデジタルペーパーとしては優秀で、自由になんでも書けて、計算もできます。
一方で、プロジェクト管理をExcelで行う場合は注意が必要です。
Excelは、毎日のようにさまざまな用途で活用していると思います。
しかし、Excelは表計算ソフトです。プロジェクト管理という観点で考えると、例えばこんな問題があります。
・初期に計画を立案するには良いが、計画変更に弱い
・タスク間の作業順序を表現できない
・ガントチャートの線を一度引くと更新やメンテが大変
・メンバーの負荷状況が見えない
・プロジェクト規模(人数・タスクの量や期間)が大きくなると運用が困難になる
・複数のプロジェクトを横断的に見える化できない
・アサインされたメンバーの工数実績の入力・集計が困難である
・計画視点では良いが実績の記録・収集や計画との差分の表示が面倒 など
多くの方がExcelでプロジェクト管理を試みて、限界を感じるポイントかもしれません。
その問題点を解消するためにプロジェクト管理ツールは存在しています。
次はTimeTracker NXを例にして解消できる点を説明します。
・タスクのツリー構造(WBS)を定義し、論理的に作業を整理できる
・タスク間の作業順序を設定し、スケジューリングできる
・スケジュールをガントチャートで直感的に表示・編集できる
・メンバーの負荷状況がグラフ等で簡単に確認できる
・複数メンバーでのプロジェクトの閲覧や編集が容易にできる
・複数のプロジェクトの状況を簡単に見える化できる
・メンバーの実績データを収集して集計・分析し、ガントチャートに表示できる
実際のプロジェクトにおいては、まずは大まかに計画を立てて、段階的に詳細化していくことが現実的です。
TimeTracker NXなら、スケジュールや工数を大きな単位から作業別といった詳細レベルまで、任意の粒度で計画を立案できます。
またガントチャートの作成も手書き感覚で入力・更新などは手軽にできます。
そして、プロジェクトのスケジュールとは別に同時にメンバーの実績工数などの累計値や進捗率などの入力情報を基にイナズマ線で俯瞰して進捗状況を可視化できます。
Excelの場合、かなり細かくマクロ組まなければ出力できないビューがTimeTracker NXならボタン一つで表示できます。
TimeTracker NXはExcelからのWBSコピー、Excelアドイン連携機能など用いてプロジェクト管理を支援します。
詳細の機能説明は製品のヘルプサイトに任せるのですが、Excelとの共存共栄のユースケース例を紹介します。
【入力時】
「ExcelからのWBSコピー」機能を使用すると、データの箱としてプロジェクトを新規作成後、その中身の詳細WBS(工程・作業)をExcelで作成し、貼り付けができます。
・プロジェクト新規作成時は書きやすいExcelで作成したものを流用し、TimeTracker NXへそのまま入力する
・過去にExcelで書いたプロジェクトをTimeTracker NXでも同様に表現したい
などExcelで作成したプロジェクトを資産として活用できます。
【出力時】
「ガントチャートを出力」機能を活用すると、TimeTrackerで作成したフィールドとガントチャートをそのまま Excel に出力できます。
Excel に出力したガントチャートは、Excel の機能を利用して紙やPDFなどお好みの形式で印刷できます。Excelファイルを紙に出力し印刷する行為に近いことが実現できます。
出力したものは、会議時に「現状報告資料」として活用できます。
【更新時】
「Excelアドイン連携機能」を活用すると、TimeTracker NX上のプロジェクトデータをExcelへ簡単に取り込むことができます。
・Excelに新たにデータを作成する[インポート]機能
・インポート済みの表形式のデータを最新の情報に更新する[最新データを取得]機能
簡易的な更新であればExcelにインポートして情報を更新した後、Excelから自動でTimeTracker NXに反映できます。
デンソークリエイトは「現場」を大切にしています。
TimeTracker NXを導入したら、保有しているExcel帳票はまったく使えなくなるという、スクラップ&ビルドなアプローチは避けたいと考えています。
なるべく、現場が行っていた取り組みにあわせて導入をすすめ、Excelプロジェクト管理で難しいとされる「構造化し論理的に作業」「実績の入力・集計」「プロジェクト横断分析」などに手をあてたいと考えています。
90日間全機能利用できる評価版もご用意していますので、ぜひ一度TimeTracker NXを触れていただければ幸いです(Excelアドイン連携機能は評価版でお試しいただけます)。
引用元サイト:
文部科学省「教育の情報化に関する手引」検討案 第4章 情報教育
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/056/shiryo/attach/1249670.htm
TimeTracker製品サイト プロジェクト管理ツールとExcelの違いとは?
https://www.timetracker.jp/concept/column/02-01.html